相続放棄について司法書士に相談・依頼することで、専門家の持つ知見を活用でき、安心して手続きに臨むことができるようになるでしょう。書類収集や作成の正確性、期限超過のリスク回避、ほかの解決策の提案など、さまざまな観点からメリットがあるといえます。
一方で司法書士にできることにも限界がありますので、司法書士活用のメリットと、依頼にあたっての注意点を併せて確認しておいてください。

書類作成や収集を代行してもらえる
相続放棄に必要な書類は多岐にわたり、その作成や収集には専門的な知識が求められます。一方、相続放棄の手続きにおいて司法書士に依頼を行えば、書類作成や収集を代行してもらえるようになります。
たとえば戸籍謄本や住民票の除票の収集、相続放棄申述書の作成作業などが発生しますが、ご自身で一つひとつ調べながら対処していく必要がなくなります。被相続人の改正原戸籍(過去の戸籍記録)などから必要な情報を読み取るのも専門知識が求められますが、司法書士がついていれば問題なく対処可能です。
期限に間に合わなくなるリスクの回避
相続放棄の申述をするには厳格な期限を守らなければなりません。相続開始によりご自身が相続人になったという事実を知った日から3ヶ月以内に行わなければ、原則として相続放棄はできなくなってしまうのです。
3ヶ月という期間は一見長く感じられるかもしれませんが、実際には戸籍収集だけでも2~3週間かかることもあるため、実質的な猶予期間はかなり短いものと認識しておくべきです。
ただ、司法書士に依頼をすることで、このような期限に関するリスクを軽減することができます。司法書士はスケジュール管理を徹底し、裁判所への提出期限を厳守します。やむを得ず期限を超過してしまった場合でも、「上申書」の作成を通じて、正当な理由により間に合わせられなかったことを裁判官に説明する専門的対応が可能となります。
これらの対応によって、期限超過に係るリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
費用対効果が高い

司法書士を利用する利点の1つに、「専門家の知識を活用しながらも、コストを比較的小さく抑えられる」という点が挙げられます。
相続放棄手続きにおける報酬相場は、司法書士の場合1名あたり3~5万円が一般的です。
これに対し弁護士への依頼だと10~15万円程度が相場ですので、単純計算2~3倍の費用差が生じるということになります。
この差額は代理権の有無に起因すると考えられます。後述するように司法書士が対応できる範囲に制約があるものの、書類作成業務に特化することでコスト削減が実現できているといえるでしょう。
ただし、実際のコストは依頼先となる司法書士事務所によって異なるという点に注意してください。相談時にいくらかかるのか、どのようなケースで追加費用が発生するのかを確認しておきましょう。
せっかく遺言で「すべて長男に」と書かれていても、登記をしていなかったために自宅の半分を失うおそれがあるのです。
裁判所とのやり取りに対する助言
相続放棄の申述後、家庭裁判所から照会書が届きます。一方的に書類を提出して終わりではなく、照会書への回答を経て、相続放棄をすることに問題がないと評価される必要があるのです。
そして照会書には「相続財産の認知時期(被相続人の死亡をいつ知ったのか、どのような経緯で知ったのか、など)」や「債務隠蔽の疑い(財産について一部でも処分・隠蔽・消費したことがあるか、など)」に関わる質問が含まれるため、専門家のサポートなく回答をすることで手続きが却下されるリスクが高まってしまいます。
相続に強い司法書士であれば過去の却下事例なども参照し、不適切な回答を避けることができます。
債権者との対応のサポート
相続放棄手続き完了後も、債権者から請求を受けるケースは少なくありません。相続放棄が認められれば請求に応じる必要はないのですが、債権者側がその事実を認識していない可能性もありますので、その場合には相続放棄を行ったという証明とともに請求を拒絶する必要があります。
司法書士はそのために必要な作業を代行し、相続放棄申述受理証明書の請求から取得、その証明書とともに債権者への通知を行います。
多角的な解決策の提示
司法書士への相談を通して、相続放棄以外の解決策についても検討を進めることができます。
まず検討したいのが「限定承認」です。相続財産に借金が残っていることが明らかであっても、安易に相続放棄を決断すべきではありません。どうしても手放したくない財産があるときや、相続財産の全容が不明瞭であるときには、限定承認をすることでより良い結果を得られるかもしれません。
また、もし相続放棄ができない・しない場合でも、債務整理を行うことで借金等の負担を軽減させられるかもしれません。任意整理や個人再生など、司法書士がさまざまな手法を模索して最適な解決案を見出します。
代理できる範囲には限界があるため注意

司法書士に相続放棄の相談をすることで、上記のメリットが得られます。しかしながら、司法書士によって相続放棄に関するあらゆる問題へ対処できるわけではありません。法律上、司法書士ができることにも限界がありますので、状況に応じて別の専門家の活用も検討する必要があります。
たとえば、司法書士は家事事件における代理人となることはできないため、相続放棄の申述自体を代理することはできません。必要書類の準備であれば司法書士が対応できますが、申し立ては本人が行う必要があります。
※例外的に、訴額が140万円以下の事件であれば認定司法書士に限り代理人になれる。
また、債権者との紛争が生じて訴訟にまで発展してしまった場合、司法書士ができる交渉や訴訟対応には限度があるため、基本的には弁護士に依頼をする必要があります。そのため多額の債務や相続人間の対立が予想される場合であれば、その点についても司法書士と情報を共有しておくようにしましょう。
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