【高円寺 司法書士】相続相談サイト|中野司法書士事務所 > 相続ブログ > 【2024年4月1日義務化】相続登記の義務化について解説

不動産の登記はこれまで義務ではなく、所有者の権利を守るために推奨されている仕組みとして扱われていました。しかし相続を原因とする不動産の取得があったときは、今後、登記申請を行わなければいけません。

法改正による義務化について当記事で言及し、その理由や具体的なルールを解説していきます。

 

相続登記とは

相続登記は、不動産の所有者が亡くなった際に行う、その不動産の所有権を相続人(または受遺者などの新たな取得者)に移転するための手続きをいいます。

 

具体的には、被相続人(故人)名義の不動産を、相続人等の名義に変更する登記のことを指します。

 

この手続きは法務局で行われ、単なる名義変更だけでなく次のような重要な意味を持ちます。

 

  • 所有権を公示することで権利関係を明確にする
  • 不動産取引を円滑にする
  • 相続人の権利保護
  • 固定資産税等の納税義務者を明確にする

 

不動産の権利関係を明確にし、将来的なトラブルを防ぐ上でもとても重要な手続きです。相続人が複数いる場合、相続登記を行わないまま時間が経過すると権利関係が複雑化し、後の相続や売却の際に大きな障害となる可能性もあるため注意してください。

相続登記の義務化とその理由

202441日より、相続登記が義務化されました。

 

これは「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し」の一環として行われた法改正によるもので、不動産を相続した相続人には一定期間内に相続登記を申請する法的義務が課されることとなりました。

 

この新たなルールが設けられたのには、次のような背景があります。

 

  • 所有者不明土地の問題が深刻化している
  • 不動産の適切な管理・利用を促進する必要がある
  • 災害復興や公共事業が円滑に進めにくい状況にある など

 

特に所有者不明土地の問題は、現代の日本において喫緊の課題となっています。相続登記が行われないまま放置された土地は増加しており、そのような土地は有効活用も困難で、地域発展を阻害する要因にもなってしまっています。
さらに災害時の迅速な対応や公共事業の実施を妨げる要因にもなっており、用地を取得しようにも多大な時間と労力を要してしまう現状があります。

 

そこで相続登記を義務化し、このような社会問題に対処しようとしているのです。

法改正後のルール

相続登記の義務化に伴い、202441日以降は新たなルールが適用されます。これらのルールは、今後発生する相続だけでなく、以前に発生した相続にも適用されるため、注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

今後発生する相続について

今後の相続について、相続人は以下のルールに留意してください。

 

「相続の開始および不動産の所有権取得を認識した日から3年以内に、登記申請をしなければいけない」

 

また、遺産分割協議により取得することになったのなら、その成立日から3年以内に遺産分割に基づく登記申請が必要です。もし遺産分割協議が長引く場合には後述の「相続人申告登記」を行うと良いです。これにより一時的に義務を履行したとみなされます。

以前に発生した相続について

202441日より前に発生した相続についても、相続登記の義務化は適用されます。以下の点に留意してください。

 

202441日時点で未登記の相続不動産があるのなら、2027331日までに相続登記を完了させないといけない」

※期限は①202441日(法施行日)、または②不動産の相続を知った日、のいずれか遅い日から3年以内。

 

以前、相続で不動産を取得したものの登記の手続きを行った記憶がないという方はご注意ください。

罰則について

新たな義務が法的に設けられたことに伴い、次の罰則も設けられました。

 

「正当な理由なく期限内に登記申請をしなければ、10万円以下の過料に科す」

 

とはいえ即座に過料が科されるわけではありません。法務局の登記官が義務違反を把握した後、まずは該当者に対して催告をします。
それでも申請が実施されなかった場合にのみ、裁判所への通知(過料通知)が行われて、そこで実際に過料を科すかどうか・過料の金額が審理されます。
その審理を終えてようやく過料が科されるのです。

 

また、やむを得ない事情や登記申請ができないことに対し正当な理由があるのなら、罰則を免れる可能性があります。例えば次のようなケースです。

 

 

 

  • 相続人がとても多く、戸籍謄本などの資料収集や相続人の把握に多大な時間がかかっているケース
  • 遺言書の有効性や遺産の範囲について争いがあるケース
  • 重病などが原因ですぐに手続きに着手するのが困難なケース
  • 経済的に困窮しており手数料が負担できないケース など

 

ただし、相続開始時点でこのような事情があったとしても、その後問題が解消されれば申請に対応しないといけません。

間に合わないときの「相続人申告登記」について

期限内に正式な相続登記を完了させることが困難な場合に備えて、「相続人申告登記」という制度も新設されました。

 

この制度は、相続人の負担を軽減しつつ、不動産の所有者情報をいったん更新することを目的としています。

 

当該制度の特徴は次のとおりです。

 

手続きが簡単

本来の相続登記と比較すると、必要書類が少なく、手続きが簡素化されている。

1人でも申請できる

相続人の一部のみでも申請が可能。すべての相続人の合意は必要ない。

登記事項

相続人申告登記では、被相続人の氏名・住所、相続開始の年月日、申請人の氏名・住所・続柄などを登記する。

暫定的な義務履行に留まる

相続人申告登記を行うことで、一時的に相続登記の義務を履行したとみなされる。ただし、最終的には本来の相続登記が必要。

所有権を確定するものではない

あくまで相続人であることを公示するものであり、所有権を確定するものではない。

そのため相続人申告登記をもって、第三者に対し所有権を主張することはできない。

 

もし、「相続人間での遺産分割協議が難航している」「相続人の中に所在不明者がいる」「遺産の全容を把握するのに時間がかかる」などの事情があるときは、相続人申告登記を行っておくと良いでしょう。

 

また、期間が問題ではなく、「そもそも登記申請はどうすればいいの?」と悩んでいる方は登記のプロである司法書士にご相談ください。

  • 時間外相談
  • 当日相談
  • 土日祝日相談

03-6272-4260

お急ぎの方:090-5413-3324

相談受付時間:平日・土日祝9:00~22:00営業時間:平日9:00~22:00

LINE・メール24時間受付/相談無料