遺言書が無効にならないためのポイント

遺言書は非常に効果的な相続対策です。
しかし、一つ間違えるとせっかく書いた遺言書自体が無効になってしまいます。だから、ここは強く言いたい!
あなたの最期の意思だから、、、
それは、あなたの最期の意思が相続人たちに届かなくなるということだから、、、
自筆証書遺言が無効になりやすい6つのパターンをご紹介します。

遺言書が無効となるパターン1:遺言書に日付がない

まず、次の条文を見てください。

遺言の方式|民法第960条

遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。

遺言書は、民法に従った方式で書かないと無効なのです。

自筆証書遺言|民法第968条第1項

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

「無効」となります。なぜならば、次のような条文があります。遺言書が複数出てきて内容が抵触していた場合、日付の新しい遺言のほうの内容が優先するのです。

前の遺言と後の遺言の抵触等|民法第1023条第1項

前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

遺言書は、亡くなった方の親族に対する最後のメッセージとなるものです。したがって、遺言書の内容は、熟考に熟考を重ねてしたためていきます。とはいえ、一回作成したらそれで確定というわけではなく、気が変わることもあるでしょうし、しばらくして見直して内容を改めることもあるでしょう。

そのように考えると、複数の遺言書が出てくることは、決して珍しいことではないのです。

だから、日付は非常に大切なのです。

ちなみに日付は、普通、年月日で示しますが、遺言書を作った日付が特定できれば問題ありません。そのため、例えば60歳になった誕生日に遺言書を書いたなら「還暦の日」でも問題ありません。

ただし、よくあるミスとして、手紙などで「○年○月吉日」と書く人がいますが、これだと日時が特定できないため遺言書は無効となります。

遺言書が無効となるパターン2:遺言書に押印がない

自筆証書遺言|民法第968条第1項

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

遺言書を最後まで完璧に書いたものの、印鑑が押されていなかったら無効になります。手紙には印鑑を押さないから同じような感覚なのか、それとも最後に油断するのかわかりませんが非常にもったいないです。

遺言書本文を入れた封筒の封じ目にされた押印をもって、民法第968条第1項の押印の要件に欠けるところはないとする判例もあります。これだと、遺言書自体には押印がなくても、封筒を遺言書と一体と見てくれて、そこに印が押されていればいいですということです。また、指印でも足りるとする判例もあります。

とは言え、一般的な方法で印鑑を押印してください。

遺言書が無効となるパターン3:パソコンで作成した遺言書

自筆証書遺言は、本人が全文を直筆で書かなければなりません。

パソコンで作成して印刷したものは無効です。パソコンで作れば、読みやすいし訂正もしやすいし便利なのですが、それをプリントアウトした用紙に署名押印したとしても遺言書としては無効です。

自筆証書遺言|民法第968条第1項

自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

だし、平成31年の民法改正で「相続財産の目録」については、自書しなくてもよくなりました。すなわちパソコンで打ち込んでもいいし、不動産であれば登記事項証明書をそのまま使ってもいいし、そのコピーでもいい、銀行預金であれば口座番号等を特定できる部分の通帳のコピーでもよくなりました。

あまり利用されていませんが、「秘密証書遺言」というのがあります。

この秘密証書遺言の場合は、パソコンで打ち込んでプリントアウトした遺言書でも構いません。これを公証役場に持って行って所定の手続を経て作成します。

遺言書が無効となるパターン4:加筆/修正の手順間違い

自筆証書の遺言書は手書きで書いていきますので、書き間違えが出てくることもあります。この際に単に二重線を引いて書き直しただけでは、訂正の効力は生じません。遺言書を書き間違えた際の加除(加筆/修正)の方法については、一般的な文書の訂正よりも厳格な方法が要求されています。

自筆証書遺言|民法第968条第3項

自筆証書(前項の目録を含む)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

たとえば8行目の「中野新一」を「中野進一」に修正する場合は、まず「新」の字に二重線を引いて横に「進」と書き押印をします。さらに、遺言書の末尾や空きスペース等に「8行目1文字削除し1文字追加した」と追記し自筆で署名します。

私の感覚でもこの訂正方法は面倒くさいと感じます。これらの一つでも欠けると訂正の効力が生じません。そのため、遺言書を書き間違えた場合は、できれば始めから書き直すことをお勧めします。

遺言書が無効となるパターン5:不明確な遺言書

遺言書は、それをもって相続財産の名義変更手続きを行なうため、相続財産の分割内容を記載する際には、どの財産のことなのか誰が見ても明らかに分かるような書き方をする必要があります。

例えば、不動産であれば登記事項証明書を取り寄せて登記されている通りの所在、地番、地目、地積などを正確に記載する必要があります。

地番と住所表記は異なります。隣り合う2つの建物を所有していた場合、住所表記が全く同じということもあるのです。住所表記で遺言を書いてしまうとどの土地や建物か特定できず無効になることもあります。

このことは、相続登記を専門とする司法書士なら経験したことがある方も多いのではないかと思います。もう20年くらい前の私の修業時代の経験ですが、公正証書遺言でさえ、不動産を特定できずに登記できなかったことがあります。

遺言書が無効となるパターン6:他人の意思の介在が疑われる場合

遺言書の形式は完璧でも、一部の相続人から「遺言無効確認の訴え」を起こされることがあります。「その遺言書は、無効だ!」と言われるわけです。

たとえば、被相続人が死亡前に認知症だったような場合です。長生きすればするほど、認知症になり判断能力が低下する可能性は高くなりますので他人事ではないです。

被相続人が自筆証書遺言を作成していた場合、遺言書が書かれた時期によっては、本人の正常な意思で書かれたかどうか疑問をもたれる可能性が出てくるのです。

相続人である子のうちの特定の者だけに有利な遺言書が出てきた場合、その者が認知症の親をうまくそそのかして遺言書を書かせたと疑われる可能性があり、他の相続人が「遺言無効確認の訴え」を起こしてくるのです。

遺言書が民法の要件を満たし適切な体裁を整えていたとしても、遺言書作成当時に本人に遺言能力遺言内容を理解し、遺言の結果を弁識しうるに足る意思能力)がなかったのであればその遺言書は無効となります。

被相続人の遺言能力をめぐって相続人間で裁判になると、遺言能力について証明することは容易ではないため、長期化する可能性があります。

「遺言無効確認の訴え」を専門にしている弁護士もいますが、司法書士である私の立場では、相続人である兄弟間で争ってもらいたくありません。相続問題の亀裂は、一生モノです。高齢になると判断能力は徐々に衰えていくものです。

遺言書は判断能力が十分なうちに早めに作成することをおすすめします。

遺言書作成は相続に強い専門家に依頼するのが得策

自分一人で遺言書を書こうとすると、このようなミスが発生しやすい傾向にあります。そのミスによって遺言書が無効になってしまえば、遺言者(である被相続人)の最期の意思が相続人に伝わらないばかりか、その後の相続人の人生が変わってしまうのです。

遺言書を書く機会は、人生の中でそうそうあるものではありません。遺言書を書くことに慣れている人はいないでしょうし、ミスが出てしまうことも当然のような気がします。

しかし、遺言書が有効か無効かは、相続人からすれば死活問題なのです。

ですから、遺言書を書く際には多少費用がかかったとしても、相続に強い専門家に相談して法律的なチェックをしてもらうことを強くお勧めします。

遺言書が無効となるパターン6で述べたことと被りますが、遺言者に十分な判断能力がなければ遺言書は無効になります。判断能力が十分なうちに早めに作成することをお勧めします。

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